歯科の教科書[基礎]
8.審美歯科

[歯科の教科書 基礎編]
8.審美歯科

◆審美歯科とは?

歯の色調や歯肉の形等、口元の見た目の美しさを重視した歯科治療を「審美歯科」と言います。
「歯の白さを取り戻す」、「歯並びを整えて見た目をきれいにする」、「歯肉の色や形、見え方を調整」することで美しさを追求します。
近年では、口元の美しさについても注目されるようになり、審美歯科という言葉が一般の方にも浸透してきています。

◆審美歯科では何をする?

一般的な歯科治療は、むし歯や歯周病などの治療や、歯を失った部分をブリッジや入れ歯によって咀嚼機能の回復させる治療を行います。
これらの治療は、保険を使って治療を進めることが多いのですが、審美歯科では保険を使うことはできません。
大前提として、日本の保険制度は、病気を治療して機能を回復する場合に保険が適用されます。
治療費も全国で統一されており、どの歯科医院で受けても治療費は変わりません。
しかし、見た目を良くする審美歯科や歯並びを整える矯正治療は保険の適応となりません。
治療内容はもちろん、治療費も歯科医院が独自に設定します。
そのため審美歯科治療は、一般歯科診療よりも費用が高くなります。

◆審美歯科のメリットとは?

「口元にコンプレックスを抱えていて歯を見せて笑えない」「つい、口元を手で隠してしまう」という人が、自信を持って笑えるたり、会話ができるようになったりします。
コミュニケーションも積極的にとれるという効果も期待でき、外見だけでなく、内面の印象も大きく違ってくるでしょう。

◆審美歯科の治療

審美歯科には、主に次のような治療方法があります。

★クラウン

クラウンとは歯の被せ物のことです。天然の歯に近い色調・透明性をもったクラウンにより、自然に歯を白く美しくすることが可能です。

★ホワイトニング

歯を白くする専用の薬剤を使用して歯を白くします。

★クリーニング
専用の器具を使って歯の表面を綺麗にします。歯磨きでは除去できない着色や汚れを除去して、歯を白くする効果も期待できます。保険では何度か通院が必要なケースでも、自費のクリーニングの場合には一度できれいにすることができる場合があります。

★ラミネートベニア
歯の表面を薄く削り、つけ爪のような薄いセラミックを張りつけて、歯を美しく見せる施術のことです。 歯を白くするだけでなく、歯の形態を改善することも可能です。

◆審美歯科のデメリットとは?後悔しないために

現在の患者様のお口の中の状態と患者さんのご希望を近づけるには、事前の診査・診断や丁寧なカウンセリングが大切です。
また、患者さんに納得して治療を受けていただかなければ、後々クレームにつながってしまうことも。
適応となる治療方法と費用についてきちんと説明し、納得して治療を受けていただけるようにしましょう。