せっかく来てくれた患者さんからクレームを受けるのは誰だって怖いものでしょう。
しかし、クレームは相手がこちらに改善を望むからこそ、勇気を振り絞ってくれているのだと
前回の記事で解説しました。
よほど理不尽な内容を除いてクレームはこちらの捉え方次第で、改善のチャンスとも言えます。
今回はクレーム対応の具体的なポイントについて、詳しく紹介します。
クレームの種類
クレームには、大きく分けて以下の2種類があります。
(1) 何か不便や不都合があって、 不満を伝えたい
(2) 今よりも更に良いサービスを求めて希望する
いずれの場合も無理難題や理不尽だと感じるクレームもあるかもしれませんが、
まずは傾聴し相手の言葉をよく聞き、
解決への道を開こうとする姿勢が必要です。
また、もしクレームにうまく対処できれば、
患者さんの満足度や信頼感を高められるかもしれません。
クレーム対応のポイントは、
まず傾聴
何に対して困っているのか、不安に思っているのかを傾聴の姿勢で受け止め、その事実や相手を
不快な気持ちにさせてしまったことに対し部分的に謝罪しましょう。
例えば…
・長くお待たせしたこと
・お手数をおかけしたこと
・ご不快な思いをさせたこと
など事実について申し訳ないと伝えることで、
その後の話が滑らかに進みやすくなります。
ただし事実確認が済む前の初期対応では
「まったくそのとおりです。申し訳ございませんでした」と全ての非がこちらにあると認める行動は、避けましょう。
「すべての責任はクリニック側にある」と認めたと捉えられる可能性があるためです。
責任の所在については、正確な事実関係がわかるまでは安易に決めないように注意しましょう。
大切なポイントです。
・相手の話を遮らずに最後まで聞き、反論や言い訳はしない
・話を真剣に聞いていることが伝わるように、相手の話に合わせて適度に相槌を入れる
続けて
なぜ、不安な思いや不快な気持ちにさせてしまったのか、受け止めた話をもとに
その原因や過程など重要なポイントを整理しましょう。
すぐに改善できないような内容でも、事実を聞いてこちらが把握したことを感じてもらえただけで、患者さんが安心することもあります。
こちらの意見を伝える、
または 解決策を提示する方法
すでに医院内で対処方法が決まっているものであれば、方針に沿って迅速に対応します。
解決策が決まっていないものは、スタッフによって対応が異なることがないように、
必ずドクターや院長など責任者に確認・相談したうえで患者さんに伝えましょう。
責任者や担当者が不在ですぐに解決策を提示できない場合は、
「私の一存では回答ができかねますので、早急に確認の上、改めてご回答申し上げます。」など、
院内で精査したうえで改めて連絡をする対策をとります。
- 感情が昂っているなど、ほかの患者様のご迷惑になる場合、その場ですぐ対応できない場合は、別室・別時間に対応しましょう
- クレーム対応はスタッフの安全や「言った・言わない」を回避するため、2名以上で対応することが望ましいです
その場を取り繕うために、担当者や責任者に確認しないまま結論を提示したり、
何かしらの約束をしないことも重要なポイントです
対応後は必ず記録を残して共有する
クレームの発生日時や対象者、対応した内容の記録を残しましょう。
また、過去に例がなかったクレームの場合は、医院内で共有した後、
対応マニュアルをまとめて保管して、再発防止に努めることも検討しましょう。
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前回の記事でもお伝えしたように
クレームを受け流すのか、飛躍のチャンスとして捉えるかで、クレームを受けた後の医院の姿は大きく変わる可能性があります。
一見すると無理難題と思えるクレームにも、思わぬ改善のヒントが隠れているかもしれません。
感情と事実を分けて受け止めるのが、適切な対応のキーポイントです。
ぜひピンチをチャンスに変える発想をもってくださいね。